最近話題のDHO804を購入したので、早速遊んでみました。この記事ではオシロとしては一度も使いません。
さて、RIGOLのDHO800/900シリーズにはAndroidが搭載されており、オシロスコープのGUI機能はAndroidアプリとして実装されているようです。
※Coretex-A72 x6となっているが、SoCはRK3399が搭載されているため、実際はA72 x2 + A53 x4
そして、そのAndroidカーネルにUSB-WiFiアダプタのドライバが含まれており、適切なものであれば、そのまま動作します。
DHO800/900シリーズについて話しているフォーラムの投稿によると、RTL8188EU、RTL8188ETVを使用したものであれば良いようで、TP-Link TL-WN725NのV2/V3がRTL8188EUを使用しているとのことです。
世の中の大半のUSB-WiFiアダプタは、Realtek等の専用ICを使用しているようです。
そのため、アダプタ単位でドライバが存在すると言うより、そのアダプタに使用されているICに対応したドライバが存在します。
他にもRTL8188EU/RTL8188ETVを搭載したUSB-WiFiアダプタは普通に販売されていそうですが、購入前に搭載チップを確認する方法を知らないので、素直にフォーラムで紹介されていたTP-Link TL-WN725Nを購入しました。
Amazonで800円で購入し、届いたのはV3でした。
アダプタが手元にあるなら、Linuxマシンに繋いでlsusbで見ればチップ名で出てくるので簡単にわかります。使っていないアダプタがあったら確認してみるのも良いかもしれません。
物理的にはフロントのUSBポートにUSB-WiFiアダプタを刺すだけで認識してくれます。
しかし実際に使うためには少々裏技的な操作をする必要があります。
Androidにはデバッグ用のツールとして、adbというコマンドラインツールがあります。
SSH接続のような感じで、Android内部のシェルにアクセスすることができます。
adbには接続方法が複数あり、よくあるのはUSBで開発マシンとAndroid端末を接続する方法ですが、DHO800シリーズのUSBポート(typeB)に接続してもadbは使えません。
そこでネットワーク経由での接続を使用します。本来はWiFi経由でAndroid端末に接続するものなのですが、今回に限っては、WiFiは無いしLANポートが生えているのでこちらからアクセスします。
オシロにLANケーブルを繋いで起動すると、IPが割り当てられるので、そのIPに対してadb接続をしに行きます。
adb connect *IP*:55555
正常に接続されれば、
adb devices
でそれっぽいものが出てくるはずです。
adb接続が正しくできたら、
でAndroidの設定画面を呼び出します。
見覚えのあるやつです。Androidが走っているということがひと目でわかりますね。
あとはAndroidでWiFi接続するのと全く同じですが、キーボードが存在せず文字入力ができないので、パスワード入力はadbコマンドを使用して行います。
adb shell input text *password*
WiFi接続ができたらifconfigでWiFi側のIPを確認します。
※WiFi接続後に有線接続すると、オシロのUIにWiFi側のIPが表示されるようです。起動後、有線接続のほうが先の場合、有線側のIPが表示されます。adb使わなくてもWiFiのIPを確認する裏技として使えそうです。
adb shell ifconfig
wlan0のinet addrを確認し、WebControlが接続できるか確認します。
一度WiFi接続の設定をすると、再起動後も保持されるので、"起動するだけで勝手にWiFiに繋がってWebControlを使える"という状態になります。最高~~~。
自宅で使う分にはそうそうIPが再割当てされることはないので問題ないでしょうが、必要に応じて固定IP化なりはしたほうがいいかもしれません。
adbコマンドは容易に不可逆な操作ができてしまいそうなので、下手にシェルを触らないほうが良いです。また、root権限も簡単に使用できてしまうので注意しましょう。
Androidの設定画面も極力触らないほうが良いです。ブランクスクリーン時間をいじってたら、危うく文鎮化しかけました。
adb経由でパッケージのインストールもできますが、DHO800シリーズのストレージはSDカードなので書き込み耐久性が低いです。最悪文鎮化するはずなので、それなりの覚悟が無いなら、やらないほうがいいでしょう。